著者
鈴木祐 Private or Broken Links
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カテゴリ
Business & Economics
発行日
2021-07-16
読書開始日
2024-05-08
3選
- ガーナやインドの農村部に住む者が聞く幻想は「正しく生きよ」や「良い日が来る」といったポジティブな内容が混ざり,声の調子も穏やかなものがほとんどだったそうです.おかげで患者たちは統合失調症でもQOLを損ないにくく,症状の寛解スポードも早い傾向がありました.(中略)アフリカやインドの田舎町では幻聴を神の言葉や先祖の伝言として解釈することが多く,おかげで幻聴がポジティブに変換されるわけです.(中略)1980年代に複数の人類学者が行ったフィールドワーク(Jenkins JH. Conceptions of schizophrenia as a problem of nerves: a cross-cultural comparison of Mexican-Americans and Anglo-Americans. Soc Sci Med. 1988;26(12):1233-43. doi: 10.1016/0277-9536(88)90155-4. PMID: 3206245.)によれば,メキシコ系のアメリカ人は幻聴を「先祖の言葉」と捉え,まわりの人たちも統合失調症に寛容と同情の態度を抱きます.おかげで患者は幻聴を「良いもの」として捉えることができ,日常生活に視床をきたしづらい傾向がありました.かたやヨーロッパ系のアメリカ人は幻聴に苦しむ患者に「怖い」や「異常」のレッテルを貼りやすく,症状がさらに進んでしまうケースが広く確認されたのです.
- 抵抗が問題を生む.この発想は古くから存在し,中国の老子は紀元前300年ごろは「人生は自然に起こる変化と自ら起こす変化の繰り返しである.それに抵抗すれば不幸を生むだけだ」と指摘.インドのヨガ指導者シュリ・チンモイは「幸福とは混乱から平和への旅だ」と語り,自己の感情に抵抗しない態度を強調しました.(中略)過去の失敗もまた積極的に降伏酢べき対象の一つです.失敗の反省は良いことのようですが,ノースイースタン大学などの調査では,過去の過ちを何度も顧みる人ほど自己破壊的な行動が増え,アルコール依存や過食に走りやすい事実があきらかにされています.
- イギリスの思想家アラン・ワッツはLSDを接種した後に自己の喪失と大いなる幸福感を味わい,「すべての差異がなくなったようだ」と報告しました.ハーバード医学校の脳科学者ジル・ボルト・テイラーは37歳のころに脳卒中で自己認識に関わる脳機能を失った直後から「あたり一面が平穏な幸福感に包まれているような感じ」を体感.この状態を「脳のおしゃべりが止まった」と表現しています.
メモ
脳科学本かと思ったが,どちらかというと精神修養の必要性とそのテクニックの話が多めで,どちらかというと自己啓発本に分類されるような本だった.とはいえ,個人的に統合失調症の「幻聴」や薬物を接種した時の感情には大変興味があったので,結果的に良かった.
本書が薦める無我という状態(仏教の何年もの修行を経ずとも得られる)に至ると,自分がそれまで悩んでいたことから解放されるという.
現在,心を苦しめているものを導き出すのに,無意識的に自分を苦しめている「悪法」というものを見出さなければならないという.それは18からなる.
- 放棄:親密な人たちに信頼をおけない.「どうせ私は最後に一人になるのだ」
- 不信:「他人はこちらを騙すはずだ」「人は私に嘘をついたり,利用してくるはずだ」いつも他人の心理を気にしている.常に他人の行動を警戒する.
- 剥奪:自分が求められる感情的なサポートが得られない.「アドバイスを求められる人がいない」「精神的に支えられると感じたことがない」
- 欠陥:「自分には何か根本的な問題がある」「私は劣っている」
- 孤立:「自分は周囲に溶け込めない」外見や障害のせいでいじめられたり,経済状態や宗教などの理由で周囲の家庭と明らかに異なったりと,幼い頃の疎外体験が原因.
- 無能:「私は日常の問題に対処できない」「自分が生きていくには他人が必要だ」いつまでも自分の判断が信用できません.幼少期に自分の意思で物事を決められなかった人に起きやすい傾向.問題の発生を過剰に心配する.人に助けやアドバイスを求めてばかりいる.
- 脆弱:「なにか悪いことが起こるのではないか」という恐怖を生み出す.心配性または過保護な両親のもとで育った場合に生じやすく,不安障害や鬱病の原因になる
- 未分:他者のニーズや感情にばかり目が行き,自らのことがおろそかになってしまう.他人が落ち込むと自分も落ち込み,相手が喜べば自分も喜び,相手の失敗にも自分が失敗したかのような感覚を抱く
- 失敗:「私は仲間よりも失敗している」「自分の能力にまったく自信が持てない」
- 尊大:自分は他の人よりも優秀だと信じ,特別な権利を得る資格があると感じる.子供時代に過剰に甘やかされた人に多い.自分の欲求を満たすためだけに他人を支配するケースも多い.極度の競争心,利己的な行為,ルールの無視.他人からの否定や拒絶を受け入れられない.社会のルールや制限に従うべきではないと思う.自分の間違いを認められない.いつも自分のことを第一に考える.何をすべきか指示されるのが我慢できない.この傾向が強い人は「私の身に起きた悪いことは他人のせいだ」と思いやすく,修正が難しい
- 放縦:新しいアイデアや計画に夢中になっても,始めた途端に興味を失ってしまう.集中力を維持するのが難しく,すぐ別のことに意識が向いてしまう.脳の前頭前野の働きが弱いせいで自制心がうまく発揮できないのが大きな問題のひとつ.前頭前野は感情の管理や計画の実行をつかさどる.子供の頃に忍耐を教えられなかったり,育児放棄,長期にわたってのストレス体験など
- 服従:自分の意見を言うのが苦手で,怒りや悲しみを抱いても表に出さない.ストレスが多い家庭で成長した人が抱きがち.幼少期に「何も発言しないほうが安全だ」といった刷り込みを受けた可能性がある.自分の感情を溜め込むため「他人に利用されている」や「私は見下されている」などの感覚が強く,他者とのつながりを求める気持ちが満たされない.メンタルが傷ついても他人には言わない.拒絶を避けるために他人を喜ばせることが多い.相手の電話に出ない,他人を無視する,頼まれた仕事を中途半端に終わらせるなど,受動的な方法で他者を攻撃する.
- 犠牲:「頼まれたことは断れない」「苦しんでいる人を見るのがつらい」「他人より自分を優先するのは利己的だ」他人に助けやアドバイスを求められることが多い.他人に与えるものが見返りよりも多い.人が苦労するよりも自分がやったほうが楽だ.自分のことは誰も助けてくれず,そのせいで過小評価されていると感じる
- 承認:人に好かれるための努力に時間とエネルギーを使いすぎ,自分の感情や欲求を完全に無視してしまう.子供の頃に人生の進路を親に左右されていたり.親を喜ばせたときだけ愛情や関心を得ることができた人.
- 悲観:否定的な側面ばかり目を向け,ポジティブな側面を無視する.「何か悪いことが起こるだろう」「たいていのことはうまくいかない」など
- 抑制:「感情を表現するのは恥ずかしい」行動と感情を抑えつけてしまうパターン.他人からは理性的に見えるが,その奥では自分の内面を知られるのを恐れ,生きている実感を持てません.幼少期から怒りや悲しみを笑われたり,両親から淡々とふるまうように育てられた人に起きやすい傾向.合理性を過度に表現する.人前で自由に感情を表現できる人を見ると不快になる
- 完璧:批判を避けるために高い基準を設定し,それを満たす努力をしなければならない,と考える.「完璧を目指さなければ」「徹底的にやり込まなければ」といった思考のため常にプレッシャーを感じる.批判的な家庭で育った人に多い.頑張っても褒められない体験が積み重なったため.社会的には成功したのに満足感が得られない.いつも時間が足りないと感じる.気分転換が苦手.常に何かしなければならないと感じる.
- 懲罰:「過ちを犯した人は厳しく罰せられるべきだ」基準を満たさない者に対して怒りや焦燥感を抱きやすい.
中にはヒヤっとするものも多いし,「あいつのことだ」と思い当たる人もいなくはない.育った家庭環境に起因するものと説明されている場合がある.これを全部満たさないような人格者などいるのだろうか…?人間誰でもどれかに抵触しそうだ.
しかし,自分の心の中に巣食う「悪法」に対して,向き合って倒さないといけないといけないわけでもないらしい.「完璧」を目指さなくていいのだ.単に自分を知るためにこのような「悪法」を「意識する」.それだけで良いらしい.
「何か生きづらい」と感じた時はこの18の切り口から内省を深めることで自分の立ち位置を再確認することができそうだ.そして,その辛さや感情というものを上手に言語化することができるようになれば,その感情は霧散していくという.これはゼロ秒思考 Private or Broken Links
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にもあった.いつかこちらも再読してみたい.