怖くて眠れなくなる植物学 - 稲垣栄洋

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著者

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カテゴリ

Science

発行日

2017-07-14

読書開始日

2024-10-26

3選

  • 歩くことのできる植物があることが知られています。その植物は、その名も「ウォーキングパーム(歩くヤシの木)」と呼ばれています。(中略)ウォーキングパームは、光がある方に幹を傾けて伸びていきます。すると、体を支えるように上る方向に新たな支柱根を伸ばしていくのです。 一方、伸びていく反対側の支柱根は役割を失い、やがてなくなっていきます。そうやって、どんどん光がある方へと移動していくのです。(中略)ウォーキングパームの移動距離は、平均すると一年間に一〇センチメートル前後とされています。
  • ギリシアの哲学者アリストテレスは「植物は逆立ちした人間である」と言いました。人間の栄養を摂る口は、上半身にありますが、植物の栄養を摂る根は下半身にあります。そして植物は生殖器官である花が上半身にあり、人間は生殖器官が下半身にあるのです。
  • 四つ葉のクローバーが現れる原因は、遺伝による先天的な要因と環境による後天的な要因とがあります。後天的な要因の一つは、生長点が傷つけられることにあります。そのため、踏みつけられた刺激によって四つ葉が生じることもあります。四つ葉のクローバーが、道ばたや運動場などよく踏まれるところで見つかりやすいのは、そのためです。幸せは踏まれて育つことを、四つ葉のクローバーは語りかけてくれているのかも知れません。

メモ

世界史を大きく動かした植物 - 稲垣栄洋世界史を大きく動かした植物 - 稲垣栄洋

著者
稲垣栄洋
カテゴリ
Science
発行日
2018-06-18
読書開始日
2024-05-06

3選

世界三大飲料として紅茶,コーヒー,ココアが挙げられるが,その原料となるチャ,コーヒーノキ,カカオはすべてカフェインを含む物質である.(略)カフェインの化学構造は,ニコチンやモルヒネとよくにていて,同じように神経を興奮させる作用がある.
薩摩弁の醤油を意味する「...
が面白かったので同じ著者から.まあ,同じ著者なので内容的に被るところも少なくなかったのだが,楽しめた.

タケやササが花を咲かせた後は、無数の種子ができます。そして、この種子をエサとするネズミが大発生してしまうのです。大発生したネズミは、やがてタケやササの種子を食い尽くします。そして、餌に飢えたネズミたちは、田畑の農作物を食べ荒し、人々が大事に蓄えた穀物を食い荒らしてしまうのです。こうして、タケやササの花が咲くと飢饉が起こるのです。  日本では一九七〇年代に、マダケが一斉に開花して枯れました。このときは、タケが不足し、竹製品などが不足して社会問題となったようです。

タケの開花サイクルは120年らしく,次は2090年頃か.死んでるな…

森の木々は「フィトンチッド」と呼ばれる揮発性の物質を出しています。フィトンチッドは、ラテン語で「植物」を意味する「フィトン」と「殺す」を意味する「チッド」からできています。(中略)た。植物は、害虫や病原菌を寄せ付けないように、さまざまな毒性の物質を大気中に放出しています。これがフィトンチッド(見えない揮発した化学物質や現象のことをいいます)なのです。  人工衛星からの地球の写真を見ると、アマゾン流域や、中央アフリカ、東南アジアなどの森林地帯は青いもやが漂っているのが見えると言います。森全体がフィトンチッドの毒で包まれているのです。(中略)じつは、植物が発する揮発成分が人間にとっては、良い効果をもたらすのです。  たとえば、フィトンチッドは病原菌を寄せ付けません。そのため、人間にとって害のある雑菌や病原菌も少なくなります。  また、毒と薬は紙一重です。植物には毒草もたくさんありますが、毒も少量飲めば薬になります。植物が微生物や昆虫を殺すために蓄えた毒成分の多くが人間にとっては薬草や漢方薬の薬効成分として利用されているのです。

森に行って気分がリフレッシュするのは,このフィトンチッドを吸い込んでいるかららしい.

魔女はホウキで空を飛びます。このときに、ホウキに塗るのが、ヘラドンナやヒヨスというナス科の植物の軟膏です。 ヘラドンナやヒヨスで作った軟膏を体やホウキに塗り、ホウキにまたがったと言います。  ヘラドンナやヒヨスは毒植物で、幻覚や催淫の作用があったと言われています。おそらくは、それが彼女たちに快楽をもたらしたことでしょう。 魔女といえば、その傍らに黒猫がよく描かれます。じつは、魔女が作る空を飛ぶ軟膏に、毒草といっしょに混ぜられたとされるのが、猫の血なのです。そして、ネコもまた、魔女の手先として大量に虐殺されてしまったのです。  その結果は、どうだったでしょうか。  中世から近世にかけてヨーロッパではペストが大流行し、無数の人々が病に倒れることになってしまいました。ペストの伝染源はネズミです。ネコを殺しすぎたためにネズミが大繁殖したこともペストが蔓延した原因の一つとなってしまったのです。

このヘラドンナ・ヒヨスの軟膏に,普通に興味出てきた.ちょっと調べると

⼀般薬の⿐炎薬や総合感冒薬に「ベラドンナ総アルカロイド」として配合されています

らしい.(ベラドンナ(有毒) (ナス科)

毒のあるトリカブトの塊根は、「附子」(ブス)と言います。トリカブトを口にすると、神経系の機能が麻痺して無表情になります。これが、「ブス」の語源であると言われています。  ブスと言うのは、顔が醜いことではありません。表情がないことがブスなのです。

顔の造形のことではないんやな… 知らんかった.確かに「ブスっとした」と言う時の「ブス」は無表情であることだよなあ

七夕の節句のホオズキには、さらに重要な意味があったと言われています。  ホオズキはナス科の植物です。すでに紹介したように、ナス科は有毒な植物が多くあります。薬と毒は紙一重、薬は使い方によっては毒になります。  じつは、ホオズキの根は毒があります。昔は、この毒で胎児を殺して流産をさせました。ホオズキは堕胎の薬でもあったのです。  七月七日の頃に妊娠していると、もっとも忙しい稲刈りの時期に大きなお腹で動けなくなってしまいます。無理に重労働すれば流産の危険があるばかりか母体も危なくなります。  そのため、七月七日にはホオズキを飲んだり、ホオズキの煎じた汁を子宮に入れて堕胎したのです。

昔の農村が稲作至上主義過ぎて怖い

江戸時代の医者、華岡青洲(一七六〇-一八三五)は麻酔手術で人々の命を救いたいと、麻酔の研究をしました。このとき用いたのが、チョウセンアサガオというナス科の有毒植物です。チョウセンアサガオは、別名を「きちがいなすび」と言います。誤って食べると、幻覚を見て、泣きわめいたり、踊りだしたりと狂乱状態になることから、そう名付けられているのです。(中略)ついに彼は麻酔薬「通仙散」を完成させ、世界初の全身麻酔手術に成功します。それは、西洋で最初の全身麻酔が行われるより四十年以上も前に行われた快挙でした。

日本の医学は鎖国下でも進んでいたんだなあ

レウコクロリディウムという寄生虫に寄生されたある種のカタツムリは実に奇妙な行動をとるようになります。ふだんは湿った日陰で暮らしているのに、寄生されたカタツムリは日当たりの良い葉の上に移動するのです。  そして、カタツムリの目は異様に膨れ上がり、奇妙な模様が動いているのです。この模様の正体がカタツムリを操る寄生虫です。葉の上で目の模様を動かしているカタツムリは、よく目立ちます。そしてカタツムリを鳥に食べさせるのです。じつは、レウコクロリディウムは鳥の寄生虫なのです。  寄生虫だけではありません。アリタケというキノコの仲間は、アリが食べて体内に入ると、アリの脳を支配します。そして、胞子を飛ばすのに適した場所までアリを移動させます。そして、アリの命を奪い、アリの死骸を菌床として成長するのです。

カタツムリの目がこんな感じで変になるらしい

「英国の栄光はオールドミスのおかげ」 戦争が起こると未亡人が増えます。すると未亡人は寂しいのでネコを飼います。ネコが増えるとネズミが減ります。天敵のネズミが減るとマルハナバチが増えます。ハチが増えると受粉が進んでアカツメクサが増えます。  すると、アカツメクサを食べた羊の肉ができます。その結果、羊肉を食べて英国海軍が強くなるのです。そして海軍が増えると、戦争が起こり、未亡人が増えるとお話が始めに戻って続いていきます。

英国版「桶屋が儲かる」があるんだな.