著者
ピョートル・フェリクス・グジバチ Private or Broken Links
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カテゴリ
Business & Economics
発行日
2023-03-31
読書開始日
2025-01-19
3選
- 僕が大切にしている英語の名言に I'd like to finish my work before I start it. というものがあります。「仕事を始める前に、それを終わらせるのが好き」という意味ですが、世界で活躍するビジネスマンは確実に成果を得るために、周到な準備を整えて相手と向き合い、本題に入る前に仕事を終えてしまう…くらいの覚悟を持って雑談をしているのです。
- グーグルでは、社内のコミュニケーションを充実させることが、部下の幸福感の維持につながる・・・・・・と考えています.その象徴的な例が、毎週金曜日の午後に開かれているTGIF(Thanks Google It's Friday)という全社的なミーティングです。ここでは、社長や経営幹部が壇上にあがり、会社の方向性や新規事業、新商品などについて、全社員に説明をします。その場には、お酒やおつまみも用意してあり、参加者同士がフランクに議題について話し合うことができますが、ポイントは普段は接することのない経営幹部に対して、ダイレクトに質問ができることです。
- 笑い声が聞こえない会社には何らかの問題がある.仕事で成果が出ていなければ、人は笑うことができないし、それを許容するような雰囲気も整っていません。成果が出ていないのに、笑い声がするならば、それは社員の人たちが真剣に仕事と向き合っていないと判断することになります。
メモ
事あるごとに「グーグルでは」という発言が出てくる,Google信望が強すぎることを除けば,ビジネスマンの姿勢として的を得たことが書かれた本ではある.筆者はポーランド人.
グーグルでは、「Let's chat!」というフレーズが頻繁に飛び交っていました
多分これに該当するのが,日本では喫煙所文化なのだが,筆者は一切それには触れていなかったあたり,喫煙者の友人がいないのだろう.近年の禁煙ブームは已む無いが,そういう「言い訳」がないと雑談できないという日本の二面性のあるコミュニケーション文化は,ビジネスと相性が悪いのだろうか…
「1on1」ミーティングはメンバー個々のパフォーマンスの向上を目指して、外資系企業や一部のIT企業では10年ほど前から導入されていました
1 on 1ミーティングでも,距離を縮められない上司・メンバーが殆どで,グループミーティングと同じ調子で,ペルソナを脱せない人が殆どなのではないだろうか.無論,職場の人間に自分のプライベートなことまで連携する必要はないが,筆者は会話からプライベートの糸口を見つけ出し,コミュニケーションを薦める.
欧米のビジネスマンは雑談の目的を次のように置く.
- お互いに「信頼」できる関係を築く
- お互いが「信用」できることを確認する
- お互いを「尊敬」できる関係を作る
こういった踏み込んだ関係を作り上げるために
目の前の相手が、そもそも「どういう人で、何を大切にしているのか?」を「exploration」(探査)することも雑談の大切な目的のひとつです。 例えば、「ご家族はいらっしゃいますか?」という質問をひとつするだけで、たくさんの情報を得ることができます。 (中略) 世界のビジネスマンは、相手の表情や行まい、服装、仕草などを冷静に観察して、その場で確認の言葉を投げかけます。準備していた質問や雑談を筋書き通りに話すのではなく、相手の状況に応じて、臨機応変に対応を変えているのです。「お疲れのご様子ですが、何かありましたか?」
と具体的な質問例を筆者はあげる. 「それで独身だったらどうすんの」とか「いつも疲れているように見えるそういう顔立ち」とか,そういう可能性を考えて個人的にはヒヤヒヤしてしまう.
筆者は日本人の質問はいつもワンパターンであることを非難するが,同じように「回答」しなければ別の方向に会話は転がっていくはずだ. 一周回ってコミュニケーション能力が低いのは筆者なのではないだろうか.
僕が大切にしている英語の名言に I'd like to finish my work before I start it. というものがあります。 「仕事を始める前に、それを終わらせるのが好き」という意味ですが、世界で活躍するビジネスマンは確実に成果を得るために、周到な準備を整えて相手と向き合い、本題に入る前に仕事を終えてしまう・・・・・くらいの覚悟を持って雑談をしているのです。
- 今日、相手に会う目的は何か?
- お互いに何が知りたいのか?
- どんな関係性を作りたいのか?
- その関係性は短期か長期なのか?
- 会議の参加者はどんなメンバーなのか?
- それぞれがどんな意見を持ち、どんな見方をしているのか?
- この会議でどんなことを聞きたいのか?
- 何を肯定材料と考え、何が否定材料になるのか?
確かにこの精神は素晴らしい.プロットがあり,そのまま会話が進めば如何にも準備が大事と確信を深めるだろう. しかし,そういうのは会議の役割なのではないだろうか.こんなものは雑談ではないと思うし,会議となれば,このようなことは古今東西問わずビジネスマンは考えていると思う…
そして,こういった計画性を持った会話ではなく,セレンディピティを感じる会話はどこでおこなえば良いのだろうか.これこそが「雑談」だと思うのだが…
正直なところ、「意図がない雑談をするならば、口を開かなくて結構です」と言いたくなるのはこんな時です。
- 貴重な時間を奪われる
- ビジネスの可能性がなくなる
- レピュテーションをなくす
ここまで言わなくてもいいんじゃないか?と思うのだが,日本人のビジネスマンはおそらく自己開示しなさすぎて,筆者はいつも会話の糸口を見つけられずにいることによる不満感がここに現れているのだろう.
まあそういう人は確かにいる.イラつくのも分かる.だけど友達ではないのだし,そういう人はおそらく「自己開示しなくても仕事が回る」ということは取引先としても大手だったり上位だったりするのではないだろうか.
欧米とは異なり,日本の商習慣にはこの企業間の「上下」というのが色濃く文化としてあると思う.
この上下関係に付随して,「上下関係ではない対等な立場での物言い」をしたい時が発生する.この時,日本人は「建前」を外して,本音で話すことをすると思う.
つまり,上下関係の存在が建前を生み,建前が公共と私生活を分け隔てる.欧米でも建前がないわけではないが,それはむしろ礼儀正しいかどうかに集約される. そして元々自己開示が強い人々なので「自己開示をしない」という文化だけが理解できないものとして残るのだろう.
大人と大人のビジネスの世界ですから、マネジャーがメンバーを頭ごなしに怒鳴りつけたり、自分の考えを無理に押し付けるようなことはありません。 日常的な雑談によって、お互いの考え方を共有することで、結果を出すために同じ方向を向いて仕事をしているのです。
これは素晴らしいマネージャーだが,そういう全人的な教育は日本では通常なされないし,それを育成する方法も確立されていない気がする.
塾や学校で教え込まれる知識だけでペーパーテストは突破できるので,そういった人たちに急に「日常的な雑談によって、お互いの考え方を共有することで、結果を出すために同じ方向を向いて仕事をし」ようと言ったって,そんなチームワークが必要なシーンがなかっただろう.
欧米が個人主義なのは違いないが,彼らがチームワークを発揮でき,集団主義的と対比される現代日本でチームワークよりもむしろ他責的な姿勢が見られるのは印象深い.
オーバーコミュニケーションとは、過不足なく、あるいは必要以上に細かく情報を発信することです。 メンバーはマネジャーに対して「報告」、「連絡」、「相談」をする義務がありますが、この「報・連・相」をきちんとしていれば、意外と過干渉が回避できて、自分のペースで仕事ができるものです。 グーグルでは、メンバーのオーバーコミュニケーションは、ごく当たり前のことと受け取られていました。 グーグルには、個人主義的なイメージを持つ人が多いと思いますが、その実態は集団主義的で、チームが総力戦でパフォーマンスを上げていくことが求められています。 そのためには綿密な「報・連・相」が必要であり、アンダーコミュニケーションの場合は「仕事ができない」、「仕事をしていない」と判断されてしまうのです。
どうだろう.JTCだとマネージャーは報告してくる部下には更に要求を高めていくものではないだろうか.Googleのマネージャーは「全人的」だからそういう贔屓のようなことはしないのだろうか.
僕の好きな名言のひとつに、「If you want to be interesting be interested」(興味深い人になりたければ、興味を持て)というものがあります。 これは、自己啓発書の元祖として知られる世界的なベストセラー『人を動かす』を書いたアメリカの作家デール・カーネギーの言葉です. 相手と深くつながるような雑談は、相手に対する興味がなければ成り立ちませんが、お互いを雑談を通して高め合うくらいの意識を持って、「この人はどういう人なのか?」を知ろうとすることが大切・・・・・・と僕は解釈しています。 「最近は、どんな会社が最先端を走っているのですか?」この質問によって、業界のトレンドに一歩踏み込むことができます。 「1年を通して、最も忙しくなるのはいつですか?」それを聞くことで、業界のサイクルを理解することができます。 英語であれば、「It may be a tricky question」(奇をてらった質問かもしれませんが)という表現が一般的です。 いきなり核心に踏み込むのではなく、簡単な前置きをすることで、相手に心の準備をする時間を与えることができます。 相手に迫る感じではなく、あくまでチャーミングな雰囲気で質問をすれば、緊張感が生まれる心配もないと思います。 日本語には、こうした便利なフレーズが他にもいろいろあります。 「少し話が脱線しますが・・・・・・」 「こんなことをお聞きすると、失礼にあたるかもしれませんが•・・・・」 「お気を悪くされたら、恐縮ですが・・・・・・」
漸く同意できる箇所と,実用的なフレーズが出てきた.
相手に対する一方的な興味は片思いに終わってしまう.相手と深くつながるような雑談は「相手からも興味を持たれる」ことが必要で,そのためには自分も興味を持たないといけないのだが,そうした返報性の原理が効かない相手というのも居る.そういうテイカー気質の人間からは距離を取るしかない.話が逸れた.
「最近は、どんな会社が最先端を走っているのですか?」 この質問は汎用性が高いと思った.最新のことというのはその業界にいないとわからないし,何なら最新のバズワードであれば門外漢でも聞いたぐらいはあるかもしれない.使っていこうと思う.