「高成長企業」の成長パターンについて類型化すると、「共通化」を通じて頻度(回転)を増すことに重きを置くパターンの「ライフライン化」、「蓄積」をてこに「差異化」を通じて価格を高めることに重きを置くパターンの「アイコン化」、それらの中間に位置するパターンとなる「コンシェルジュ化」という3つのパターンに分類することができた
日本の賃金が伸び悩んできた大きな原因は、就業者1人当たり付加価値が伸びていないことにあると考えられる。
こうした日本の低生産性の背景には、一過性ではなく長年にわたって定着している日本社会の構造的な特質がある。
この大きな原因としてまず考えられるのは、企業や行政をはじめとする日本の組織に特有の「自前主義」に裏打ちされた個別最適志向だ。
生産性を高めるためにデジタル化を進めようとすると、企業や自治体がそれぞれ自前のITシステムをつくり込んでいるため、相互にデータを共有するのに苦労し、なかなか期待される効果が表れないという話がよく聞かれる。
この例に代表されるように、日本では従来から多くの経済活動の領域において、自前主義と、そこから派生する個別最適の発想が根強い。いわば“タコつぼ化”された状態から抜けきれないことで、多様な相手とのオープンな連携が妨げられ、縦割り組織特有のセクショナリズムと非効率に陥りがちだ。
個別最適の追求が、異なる組織や業界の間を隔てる「壁」を生み、それが企業の生産性や収益性の向上の足かせとなって、働き手1人当たりの付加価値を低い水準に押しとどめてきたと考えられる(図表5)。